皆さんこんにちは。今回は、地震後に多くの人が経験する「地震酔い」について解説していきます。
そもそも地震酔いとは、震災直後、避難や生活の変化だけでなく、頻発する余震の影響で「揺れていないのに揺れている気がする」「気分が悪い」「頭がふらふらする」といった症状のことであり、これが「地震酔い」または「余震酔い」と呼ばれます。
多くは、心身のストレスや感覚のズレによって引き起こされるもので、誰にでも起こりうる現象です。
今回は、この地震酔いの特徴と、正しい対処法について紹介していきます。
1. 地震酔いとは何か?その正体と原因
地震酔いの主な症状は、
- 揺れていないのに、揺れているように感じる
- 頭がふらふらする、軽いめまいが続く
- 吐き気や倦怠感、不安感が強くなる
- 集中力の低下や睡眠の質の悪化
原因のひとつは、三半規管(内耳)と視覚、体感とのズレです。船酔いや車酔いに近いメカニズムで、頻繁な揺れや不安定な環境下に長時間いることで発症します。
さらに、災害による緊張や不安、生活リズムの乱れが重なると、自律神経が乱れ、症状が悪化する傾向にあります。
2. 被災地で増えている「地震酔い」の実例
実際、過去の震災でも多くの人が地震酔いに悩まされており、
- 2011年の東日本大震災では、数週間以上にわたって頻繁に余震が続き、多くの人が「揺れていないのに揺れている気がする」と感じたと報告されています。
- 熊本地震(2016年)でも、特に余震が多発した数日間に、避難所で地震酔いを訴える人が急増。医師や看護師が簡易ベッドや落ち着ける空間を設けるなどして対応したとのことです。
また、スマートフォンの地震速報音や避難指示のアラームが引き金となって、身体が緊張状態に陥るケースもあります。
3. 地震酔いのケアと予防方法
では、実際にどのようにケアすればよいのでしょうか。
- 視線を安定させる
読書やスマホを避け、遠くの一定の場所を見つめる。船酔いと同じく「視覚の安定」が大切です。 - 揺れを感じたら静止する
余震を感じたら、座るか横になるなど、体を安定させましょう。足を広げ、重心を低く保つのも効果的です。 - 深呼吸とストレッチ
呼吸が浅くなっていると、自律神経が乱れやすくなります。ゆっくり深呼吸をして、肩や首を軽くほぐしましょう。 - 睡眠と水分補給
疲れが溜まると、揺れに対する感覚が敏感になります。できるだけ静かな環境を作り、十分な睡眠と水分補給を心がけてください。 - ラジオやSNSを見すぎない
情報過多もストレスの原因になります。必要な情報だけを短時間で得て、あとは心を休めましょう。
4. 周囲の理解と支えも重要
地震酔いは目に見える症状ではないため、周囲の理解も必要不可欠です。
- 家族や同僚に自分の症状を説明し、無理な行動を控える。
- 避難所では、気分が悪い人や体調を崩している人がいたら、できるだけ寄り添ってサポートする。
- 医療関係者がいる場合は、早めに相談してみましょう。簡単な薬やアドバイスで症状が改善する場合もあります。
また、小さな子どもや高齢者は、自覚症状を伝えづらいことがあります。普段と違う様子が見られたら、こまめに声をかけて確認しましょう。
まとめ:心と体の揺れを整える意識を
いかがでしたか。
地震酔いは誰にでも起こりうる、心と体の自然な反応です。過剰に不安になる必要はありませんが、適切な休息とケアを行うことで、症状は軽減されます。
✔️ 揺れていないのに揺れを感じたら、まずは体を安定させる
✔️ 視覚と呼吸を落ち着かせることで自律神経を整える
✔️ 情報は必要最小限にとどめ、ストレスの原因を遠ざける
✔️ 家族や周囲の人と協力して、支え合いの意識を持つ
余震の続く中でも、体と心を整える行動を習慣づけて、少しでも安心した日常を取り戻していきましょう。
今回もありがとうございました。
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