店舗に必要な消防設備の基準を解説!延べ面積50㎡・150㎡・500㎡の違いとは?

法令

皆さんこんにちは。今回は、店舗に必要な消防用設備等について解説していきます。

最初に断っておきますが、内容は一般的な内容です。他にも様々な条件で内容が変わってきますので、あくまで一つの目安に参考にしてくださったら良いかと思います。
それでもなるべく、多くの方が考える店舗の内容に即したアドバイスにしようと思いますので、よろしくお願いします。

店舗を運営するうえで重要なのが消防設備の設置基準です。
「どの設備が必要なのか?」「面積によって違いがあるのか?」と疑問に思う方もいるでしょう。


この記事では、延べ面積50㎡・150㎡・500㎡の店舗における必要な消防設備の違いをわかりやすく解説します。

なお、想定条件は以下のとおりです。
収容人員は50人(各階ではなく、全体の人数)
階数は3階まで(階段は1つ)
他の用途はなし(純粋な店舗のみ)
3階部分が無窓階の場合の条件も考慮

それでは、詳しく見ていきましょう。


1. 消防設備の基準は何で決まる?

店舗に必要な消防設備は、主に以下の要素で決まります。

1️⃣ 延べ面積(店舗の広さ)
2️⃣ 建物の階数(どの階にあるか)
3️⃣ 収容人員(どれくらいの人が利用するか)
4️⃣ 無窓階の有無(3階部分が窓のない空間かどうか)

今回は「収容人員50人」「3階建て(1つの階段)」という条件で比較し、解説します。


2. 延べ面積別に見る必要な消防設備

(1) 延べ面積50㎡の店舗(小規模店舗)

必要な消防設備
消火器(各階に1個以上)
避難誘導標識(出入口や避難経路に設置)

🔹 3階が無窓階の場合

  • 自動火災報知設備の設置が必要
  • 誘導灯(非常口や避難経路)の設置が必要

【設置方法】

  • 消火器は、見やすく取り出しやすい場所に設置(床から1.5m以内)
  • 誘導標識は、非常口や階段付近に掲示

50㎡以下の小規模店舗でも、無窓階がある場合は設備が強化されるため注意です。


(2) 延べ面積150㎡の店舗(中規模店舗)

必要な消防設備(50㎡に加えて追加されるもの)
消火器(複数設置)
火災報知器(自動火災報知設備)

🔹 3階が無窓階の場合

  • 火災通報装置の設置が必要(消防署に自動通報するシステム)

【設置方法】

  • 消火器は、各階に1つ以上設置し、最大で歩行距離20m以内に配置
  • 自動火災報知設備を設置(火災発生時に警報を鳴らし、速やかに避難できるようにする)

収容人員50人で150㎡を超える場合、自動火災報知設備が必要
3階部分が無窓階なら、火災通報装置も必要になる


(3) 延べ面積500㎡の店舗(大規模店舗)

必要な消防設備(150㎡に加えて追加されるもの)
屋内消火栓設備(消火活動の初期対応用)
誘導灯(非常口・通路)
火災通報装置(消防署に自動通報)

🔹 3階が無窓階の場合

  • 排煙設備(強制換気システム)の設置が必要

【設置方法】

  • 屋内消火栓は、使いやすい場所に設置(消火栓ホース付き)
  • 誘導灯を出入口・避難経路・非常階段付近に配置(非常時に明るく避難経路を照らす)
  • 火災通報装置を設置し、火災発生時に自動で消防署へ通報
  • 排煙設備を設置し、煙を排出できる構造にする

500㎡を超えると、さらに防火設備の規制が厳しくなるため、設計時に注意が必要
無窓階がある場合、排煙設備の設置が義務化される


3. 消防設備の設置方法とポイント

ここからは、各設備の主な設置の基準についてまとめています。

(1) 消火器の設置基準

  • すべての階に1つ以上設置(50㎡未満でも必要)
  • 歩行距離20m以内に1つのルールを守る
  • 設置位置は床から1.5m以内で、目立つ場所に設置

(2) 自動火災報知設備の設置基準

  • 150㎡を超える場合に義務化
  • 無窓階がある場合は50㎡でも設置が必要
  • 各部屋・通路・階段付近に設置し、速やかに警報が届くようにする

(3) 屋内消火栓の設置基準

  • 500㎡を超える建物では基本的に必要
  • 初期消火を目的として一般の人が使用するため、使いやすい場所に配置
  • ホースを伸ばして適切な位置に届くように

(4) 火災通報装置の設置基準

  • 無窓階がある場合は必須(消防署へ自動通報)
    • 携帯電話は現在認められていませんが、現在総務省にて検討が進められており、今後、認められる可能性が高いと言われています。

(5) 排煙設備の設置基準(無窓階の場合)

  • 3階部分が無窓階なら設置が義務化
  • 強制排煙装置を設置し、火災時に室内の煙を排出できるようにする

まとめ

延べ面積通常の必要設備3階が無窓階の場合の追加設備
50㎡消火器、避難誘導標識自動火災報知設備、誘導灯
150㎡消火器、避難誘導標識、自動火災報知設備火災通報装置
500㎡消火器、避難誘導標識、自動火災報知設備、屋内消火栓、誘導灯、火災通報装置排煙設備

いかがでしたでしょうか。

くどいようですが、あくまで今回は一般例です。
他にも防炎の基準地域ごとの条例の基準があります。

最終的には、消防署へ適切な設置方法を聞くこととなりますので、覚えておいてください。

消防設備の基準を守ることで、法律面で備えることができ、万が一の火災時の被害を最小限に抑えることが可能になります。
しっかりと基準を理解し、適切な設備を設置しましょう!

今回もありがとうございました。

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